Quatre Sens Exposition II フォトアート4つの個性・・・遠藤志岐子・兼本玲二・永島明・宝槻稔

場所:日本カメラ博物館 JCIIクラブ25

期間:2022.2.8-2.13 10:00-18:00

昨年に続き、2度目のグループ展だが、内容的には、それぞれに進化を遂げ、それぞれの作者の説明が興味深く、楽しめる。

兼本玲二の作品は水の落ちる様を上から下に辿ると同じではなく、途中から回転し、水玉が形成される。その様子をピンクの花びらを背景に高速撮影している。いわばミルククラウンの変化系とも言える作品。ピンクを映す水玉の立体的な模様が綺麗で、そこに作家の感性が写されている。

遠藤志岐子の作品はピンホールのカラーとモノクロの作品だが、今回は風を写すことをテーマにしている。モノクロの横長の風景作品があるが、それは横長のピンホールカメラを自作して、作成している。カラー作品は夕暮れ時に長時間で写していて、夕暮れの紺青色が綺麗に写っている。

宝槻稔の作品は熱海の取り壊されるホテルの大きな窓から写した熱海の海の風景写真だが、窓に貼り付けた別の彫刻家の針金の作品や空中に飛んでいるように見える凧のようなオブジェが風景の中に見える。不動の窓から波の動く風景を見ているが、風景の方が悠久で、見ている窓の場所はすぐ取り壊されるので、瞬時的だと気がつくとされる。

永島明の作品は写真を模様の入った和紙にプリントしていて、きらきら雲母?が輝いていたり、見る角度によって和紙の模様が浮き上がってきたりする。デジタルカメラで写した花鳥風月の世界を日本画的に表現することを続けている。青白い月の入った作品は月の部分に青い光が入るように工夫されている。