東京写真月間「地域との共生」浅野久男「”Kai”を探して。A Journey to Find “Kai” in Hokkaido」                 太田昭生「豊島30年”産廃からアートへ”」

場所:エプサイトスクエア丸の内 エプサイトギャラリー

期間:2022.5.27-6.8

2つの写真展が同じ会場を2分して開かれている。

浅野久男「”Kai”を探して。A Journey to Find “Kai” in Hokkaido」

作家は札幌在住だか、旅する写真家として北海道の各地を訪れて、各地の写真を撮っている。“Kai” とはアイヌ語で「この土地に生まれたもの」という意味で、松本幸四郎が「北海道」の命名の基になった言葉でもある。

そこに見えてきたものは、絶景とされる美瑛の風景などとは違う、衰退し、寂れた農村や町の風景である。札幌など限られた所以外の過疎化の現状が映し出されている。夕張の寂れた姿は特に作家の情感に訴えるものであるようでもある。

太田昭生「豊島30年”産廃からアートへ”』

作家は小豆島在住で、同じ瀬戸内海で産廃の島として有名になった豊島が産廃のゴミ溜めの島からアートの島に変身する過程を、1990年から2010年までの30年の定点観測によって島が変貌していった様子を写真に収めている。

過去はモノクロで、2010年はカラーで印刷することで、違いを際立たせてもいる。しかし、ここでも廃屋は廃屋のままで、過疎はここでも進行が止んでいないことも示されている。しかし、ここでは子供たちを含めた祭りの情景も示され、中でもケネディ駐日大使がお忍びで豊島の美術館を訪れた時に祭りと遭遇して、撮った記念のカラー写真が色を添えている。